ニュースリリース
大東建託と共同で「業界初 3Dスキャナによる周辺点群データを活用した施工管理システム」を開発
2021.06.25
お知らせ
株式会社イクシス(本社:神奈川県川崎市、代表者:山崎文敬、狩野高志)は、大東建託株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:小林克満、以下「大東建託」)と共同で、業界初※1となる、3Dスキャナによる周辺点群データを活用した施工管理システムを開発し、2021年10月より、大東建託の施工現場で試行を開始します。
本システムは、3DスキャナとBIM※2を連携させた施工管理システムです。
従来、建物を建設する前、設計図面をもとに建物の配置や躯体、設備配管などの施工位置を、2~3名で確認・検査をしていました。確認・検査項目は、着工から完成までの各工程で多数にわたり、さらに二重チェックなどが必要となるため、多くの時間を要するとともに、人的作業によるヒューマンエラーが懸念されていました。
本システムは、現場従事者がタブレットやスマートフォンを通して建物や躯体の完成イメージをARで確認することができるため、従来、設計図面を見ながら照合していた確認・検査業務を効率的に行うことができます。また、ヒューマンエラーがなくなるため、品質管理の精度向上にもつながります。
当社は今後もDXを活用した施工支援ツールの導入を進め、サービスを普及させることで、インフラの抱える老朽化・熟練技能者減といった社会的課題の解決に貢献してまいります。
※1 大東建託調べ
※2 Building Information Modelingの略称。PC上に作成した三次元の建物モデリングデータに、コストや仕上げ、管理情報などのデータを追加し、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用すること。
■ システム開発の背景
昨今、生産年齢人口の減少や高齢化が社会問題となる中、建設業においても労働力不足の解消や生産性の向上は喫緊の課題となっています。現場従事者においても、ベテラン社員から若手社員へ技術や知識を継承するにも長い年数を要するため、若手社員の育成も大きな課題となっています。
また、経済産業省は「2025年の崖」として競争力低下による経済損失を指摘しており、企業の9割以上がDX未着手または途上であることが明らかにされています。
そのような中、業界の課題解決と、DX推進が必要と考え、このたび大東建託と共同で、本システムの開発に着手しました。
■ 3DスキャナとBIMを連携させた施工管理システムの概要
本システムでは、まず、更地の状態で3Dスキャナを用いて近隣建物や敷地全体の点群データを取得し、位置情報を把握します。その後、建物や躯体の情報を設計図面からBIMによって3D化し、点群データのなかに正確に配置するよう各データをリンクします。これにより、建物や躯体の完成イメージをARで確認することが可能となります。
本システムを対象となるすべての現場で導入した場合、建物配置や配筋、上棟時の検査にかかる時間は従来と比較し、56%削減可能となります。
今後はさらに、ARクラウドと連携することで位置補正を自動的に行い、誤差を極めて小さくするほか、鉄筋や金物などの施工不備箇所がエラー表示されるシステムを開発中です。ARクラウドと連携したシステムについては2022年度中に大東建託の現場への導入を目指します。
<本システムで確認・調査が可能なもの>
① 建物の配置
② 基礎配筋、スリーブの位置、種類
③アンカーボルトの位置
④ 配管の位置、種類、ルート
⑤ 壁・間柱・金物の位置
⑥ 開口・下地の位置
⑦ 外壁サイディングの貼り分け
<建物配置の確認画面イメージ>
画面上で3D化された完成パースが正確な位置が表示されます。
<基礎配筋の確認画面イメージ>
基礎配筋の鉄筋ピッチや径、スリーブの位置などが表示されます。
<上棟時画面イメージ>
開口の位置や間柱・金物の正確な配置がスケルトンに表示されます。
■プレスリリース資料
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